層雲峡温泉、アイヌの秘湯開湯伝説

温泉開湯ストーリー

北海道の屋根と言われている大雪山系は、知床や天北(宗谷半島)と並びいまだ手つかずの自然が残されいる場所です。

日本でも代表される、いや、もっと深く言えば日本で唯一の野生動物や植物の楽園かもしれない。

現代ではその姿も大きく変わっているが、北海道ではどこでもいたヒグマ、エゾシカ、シマフクロウ、それにオオカミ、カワウソたちはアイヌに代わってこの地を支配してきた和人によって追い詰められ、オオカミ、カワウソなどは絶滅してしまいました。

大雪とその周辺はアイヌ時代から動物が多かったとみえ、神として崇めた動物、獲物とされた動物にまつわるアイヌ語の地名が多いことでも有名です。

今回は「アイヌの秘湯」と言われる「層雲峡温泉」の開湯伝説ストーリーを記していきます。

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層雲峡の地名の由来

全長24kmにも及ぶ大峡谷「層雲峡」、石狩川の急流が大雪山の石灰岩を浸食してつくったもので、層雲峡温泉はそのほぼ中央に位置します。

層雲峡の地名由来は、アイヌ語の「ソウ・ウン・ペツ」になぞらえ、大正10年(1922)この地を訪れた文学者「大町桂月」によってなずけられたといいます。

現在、北海道には名もない山岳の出湯まで含めると200ヶ所前後の温泉地があるといわれています。

そのほとんどが先住者アイヌが発見したといわれていて、後の開拓者として入ってきた和人の手によって発見されたとする説とは少し逆行することにはなっています。

主として狩猟民族であったアイヌは、獲物を追って移動中に温泉(源泉)を発見したものと思われます。

ある時は傷ついた身体を癒し、ある時は冷えきった身体を温めていたに違いありません。

層雲峡温泉に残る伝説秘話

地形的に優れ、食物が豊富な温泉地ではアイヌは永い間住み着き、しばしば他の集団との争いにもなりました。

それがアイヌ民族間の争いなのか、それとも後から入ってきた開拓者としての和人集団なのかは定かではありませんが、この層雲峡温泉にはこういう秘話が残されています。

「いつの時代にあるように、人の上前を撥ねるような悪人はいるようで、そういう集団が大きくなりいつしか盗賊化して、善良なアイヌの集落を襲っては食料を強奪したり、人々を拉致したりして横暴を繰り返していました。

ある日、上川の集落が盗賊の目標になった。舟に乗った盗賊たちは流れに乗って現在の層雲峡にさしかかった。

するとそびえる岩上に美しい女性が月明かりに照らされて立っていた。しかも全裸で柔らかな身振りで舞をはじめたのだ。

盗賊は呆気に取られて舟の舵をとる手が緩んだ。その一瞬の油断により舟は突き出た岩に激突し、盗賊の集団はすべて流れに飲み込まれてしまったという。」

実際に層雲峡には女神がいる、と言われていますが、まさにそれを象徴する伝説秘話ですね。

これによく似た話がドイツにもあります。ドイツのライン川のローレライ伝説ですが、層雲峡の女神で説はローレライの日本版といったところでしょう。

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現在の層雲峡温泉

寛政10年(1798)に三橋藤右衛門という人が石狩水源を探っているので、この層雲峡温泉の発見者だろうとされていますが、それ以前よりアイヌたちは河原に穴を掘って温泉を利用していたことが明らかになっいます。

現在のような観光地としての層雲峡温泉ができたのは、昭和3年に石北線上川駅からバスが全線開通した時と言っていいでしょう。

それまでは地元の人のみが知る温泉郷であり、アイヌが大事にしてきた秘湯でもあったわけです。

いまでは観光ホテルや旅館が立ち並び、お土産屋や客引きの店が坂道に軒を連ねる光景は、とても「旅情を誘う」というわけにはいきませんね。

しかし温泉街の背後にそびえる黒岳山頂まで、ロープウェイとリフトを乗り継げば、1984mある黒岳の7合目まで行くことが出来ます。

大雪の峰々と原生林、それに大空とその眼下に箱庭のごとき温泉街を対比させると、本当に素晴らしく実に雄大ですね。

さらには、層雲峡温泉より北見方面へ約6Kmぐらい行くと大函・小函があります。ここは層雲峡の中でも最も景観が美しいとされているところです。

また銀河・流星の滝がありますよね。石狩川沿いに続く断崖絶壁の中でいくつかの滝が存在しますが、その中でもこの二つの滝が最も美しいとされています。

細く繊細な白糸のように優美な姿で流れ落ちる「銀河の滝」、太い1本の滝となって力強く流れ落ちる「流星の滝」。

滝を背に20分ほど斜面を登ると、「双瀑台」の展望台へ行くことが出来ます。
別名女滝・男滝とも呼ばれる、2本の滝が絶壁・不動岩の左右を流れ落ちる姿を同時に見ることができます。

時代とともに移り変わる層雲峡温泉郷、現在は周辺の観光地を含めて、自然を満喫できる素晴らしい温泉郷ですが、ひと昔前までは確かに本物の秘湯だったのでしょう。

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層雲峡温泉、アイヌの秘湯のまとめ

層雲峡温泉は大雪山系では、天人狭や旭岳(勇駒別){ゆこまんべつ}と並んで開けた湯の街ですが、さらに原生林に囲まれた山奥の秘湯で「鳥の声を聴いたり、エゾリスと遊んでみたい」という人には、大雪山系の秘湯をいくつかご紹介いたしましょう。

国道39号線を旭川から上川に向かい、上川の少し手前ホンアンタロマ川沿いに林道を登ると、愛別岳(標高2112m)の麓に山人に愛されてきた愛山峡温泉があります。

町営のロッジと山人や湯治客のための小屋が建っており、夜はランプが灯る外風呂がなんとも素朴で素敵です。層雲峡温泉にも近いので非常に便利ですね。

また、39号線を大雪湖の手前で右折、県道273号を三国峠へ向かい、ヤンベタップ川沿いの林道を山に入ると大雪高原温泉があります。ここは紅葉が本当に素晴らしい温泉です。

日本でいえば北のはずれにある層雲峡温泉、南の人ならなおさらあこがれて一度は行ってみたい温泉のひとつです。

いまも大自然に宿るアイヌの秘湯「層雲峡温泉」、日本の温泉秘話伝説に残る北の温泉郷です。

最後に層雲峡温泉「氷瀑まつり」の動画を載せておきます。よかったら見てくださいね。

またご機会があればお寄りいただければ幸いです。今日は最後までお読みいただきありがとうございました。

※旅好きブログです。私が旅をした記事や観光関連の記事を載せています。見てくださいね!

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