ワタミはブラック企業回帰か、脱ホワイト企業の今後の戦略

政治・経済記事

10月7日に行われた記者会見で久しぶりに経営者としての姿を見せた「渡邉美樹」氏。

会見の初めに語った言葉が私にはあまりにも印象的だった。それと同時になぜ「CEO」に戻らなければいけなかったのか、という疑問が沸いてきたのは確かです。

「ブラック企業と批判を受けたこと。その後、経営危機といわれるまで経営状況が悪化したことには大いなる反省をしている」

会見の冒頭で発言したこの言葉には、反省と後悔がつきまとっていますが、「二度とワタミには戻らない」と宣言し、政界へと乗り出した人物の意向が、会見の中では最後まで見えてこなかったは確かです。

もちろん最高責任者に復帰したのであれば、ワタミグループの全責任を負うようになります。私は渡邉美樹氏が右肩上がりで成長していた時の言葉を思い出しました。

「売り上げ、そして成長を続けるには手段を択ばない」

今思うにこの言葉が当時の企業戦略だったのかもしれません。ただ、その戦略が見事に打ち砕かれたのも確かです。

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ワタミがブラックからホワイトに変わった理由とは?

正直、私もいつブラックからホワイトに転じたのかはよく理解しておりません。それどころが「ワタミ」は超一流のブラック企業と未だに思っていたからです。

これは私個人の主観なので実際のところは分かりませんが、「ワタミ」というイメージがあまりにも悪かったために、いまだにそれを払拭できずに来ているからに他ならないですね。

さて、ワタミがブラック企業として強烈に印象付けたのは、2008年に起きた新入社員の自殺でしたよね。

さらには2012年に発覚した長時間労働ですが、長時間労働による精神障害が原因で労災認定されました。

その後の調査でも次々と長時間労働が発覚し、残業100時間を遥かに超える140時間以上もの労働をさせていたということと、サービス残業は当たり前という企業理念の下で、ワタミのブラック企業化は一気に開花しました。

実際には労災認定後も責任を認めなかったり、謝罪に応じなかったりと、やることなすことがブラック企業を象徴することばかり、ついには2013年、民間企業による「ブラック企業大賞」を受賞し、名実ともに日本の一流ブラック企業のトップに成長したわけです。

ここまでくると経営が上手くいくわけがありません。

純資産も320億円から102億円と3分の1になり、「ワタミ」という名にお客さんが拒否反応を起こし始めました。とりわけ居酒屋の経営が悪化し巨額の赤字を計上したわけですね。

渡邉美樹氏が政界に進出した後は、後進に経営を任せたわけですが、ブラック企業のイメージを払拭しようとワタミの名を表に出さない戦略をとり、2016年にはもともとも存在しなかった「労働組合」も結成しています。

その後も「ワタミイムズ」の徹底的な排除を行い、長時間労働や労働環境の改善を行い2017年には経営を黒字に転換させていきます。

「ミライザカ」・「鳥メロ」なんかもすべて「ワタミ」の経営ですが、こういった取り組みが功を奏し、2015年は21.6%だった社員の離職率が2017年には15.5%にまで減少しています。

飲食業の離職率の平均は約30%前後ですから、それからするとすばらしい数字ということですね。

これによりワタミはホワイト企業に認定され、名実ともにブラック企業から脱却したわけです。

しかしながら、今年の7月に発覚した長時間労働、ニュースでは今年7月18日までの1カ月の残業時間は、「過労死ライン」を大きく上回る175時間。

女性は休日出勤も頻繁にしていて、この社員の上司にあたるエリアマネジャーが、社員が打ち込んだ出勤記録を改ざんしていたそうです。

これって完全なブラック企業がやっていることでしょ、結局は何も改善されていなかったのでは、と言いたくなるのも当然ですよね。

そもそも、ワタミの宅食では、社員である事業所の所長さん1人が、宅配をする個人事業主の配達員十数人をマネジメントしているとされていますが、「1人の社員」に任せるというシステム自体にも無理があったのでないか。いわゆる「身代わり残業」の横行です。

こういう事実が発覚すると労働組合が全く機能していない、もしくは経営陣からの圧力、と考えたくなります。

実際のところはいまだにわかっておらず、こういった労働環境における問題をはっきりしない限り世間の目は絶対に「ワタミ」グループをホワイト企業として認めないでしょう。

実は私も超一流のブラック企業に勤めておりました。

その会社はワタミがおこなっていた行為と全く同じで、労働時間の改ざん、長時間労働、早朝深夜の勤務は当たり前、日曜日は休日ではない、一番ゆっくりと仕事ができる日、と題して日曜日の出勤を促進までしていました。

経営陣は週休2日制、従業員は365日フル稼働、本当にすばらしく考え方も大日本帝国を彷彿させるような考え方で、「月月火水木金金」でした。

私はこの会社に20年勤めましたが、ついに体を壊し辞めることを決断しました。

会社を公正化するために経営陣と闘ってきましたが、成し遂げることはできませんでした。

ただ、後進の者が私の意思を引き継ぎ再び闘いに挑んでいます。直接応援することはできませんが、相談には常にのっています。

現在では今までやってきた努力が少しづつ実を結び、労働時間の改善、休日出勤禁止など目に見える改善がなされています。

こういった企業は表に出ていないことが多く、いまでも多くの企業が隠れブラックといわれています。

私の勤めていた企業も「優良企業」の認定を受けていた企業ですが、中身は超一流のブラック企業でした。

ワタミも同じではないかと考えてしまうのは私だけでしょうか、実際は見えない内部事情、言葉を発せない労働環境を改善しないとホワイト企業とは言えないでしょう。

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渡邉美樹CEOが語るこれからのワタミ戦略

さて、コロナ禍でも、いち早く休業を強いられていた同社の社員が「稼げるように」と、人材派遣会社「ワタミエージェント」を設立しています。

休業店舗の正社員約780人とアルバイト約1万人が希望すれば、人出不足の小売店や農家などに派遣し、契約に応じて給与を払うとしていましす。

すばらしい企業戦略ですが、「不法労働」が相変わらず行われている現状は何なのか、私には意味が分かりませんでした。

この会見でSNSでの反応などについて問われると、「反省すべきところは反省する。これからのことを見てほしい。今までのことは一切振り返らない」と言い切ったことが印象的です。

渡邉会長は今後の経営方針として、直営店主体の経営を大きく転換してフランチャイズ(FC)展開にかじを切ると明言しました。

また、高齢者に弁当を配達する宅食事業を伸ばすことで、19年3月期で1%強にとどまっている営業利益率を改善させるといいます。

同947億円だった売上高は22年3月期に1000億円の大台に乗せ、25年3月期には1500億円、29年3月期には2000億円に引き上げ、営業利益率も5%を目指し、「『第二の創業』として新しいワタミを始めたい」と渡邉会長は意気込んでいました。

2021年に東日本大震災で津波の被害を受けた岩手県陸前高田市に農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」をオープンすることや、外国人雇用の強化などを掲げました。

はたしてこの戦略は本当なのか、これまでやってきたことが、ことごとく世間の目をだまし続けたとも思える考え方に誰もが疑いの目を向けるのは当たり前でしょう。

例えば長時間労働が心筋梗塞のリスクを高めるということは、近年の研究で明らかになっています。

厚生労働省からも「働き方改革」の一環として、長時間労働がどれだけ危険なものか、ということは大々的に掲示されています。

企業のトップならば、こういったことは当たり前のように理解しているはずですし、絶対に目を背けてはならない事項です。

ワタミが今後の戦略の中で、こういったことに対して何ひとつ具体的な対策を打ち出していません。

また明言を避けたことによって、それを隠れ蓑にすることさえ考えているとすれば、同じことが今からでも繰り返されるのではという懸念は大きくなりますね。

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まとめ、ワタミはブラック企業回帰か、脱ホワイト企業の今後の戦略

経営者は「神」ではありません。従業員り一人であり、雑用係だと思っています。逆に私から見たら従業員は「神様」です。

人はロボットではありません。

24時間働くなんてできるわけがありません。むしろ人間は働かずして金儲けをしようと考える「ずるい動物」です。

それを成し遂げるために努力するんですよね。その努力が実を結び大きくなっていくのだと思います。

これは私も実感しているのでよくわかっているつもりです。雇用の問題は企業にとって最大の生命線なんですよね。

ワタミが掲げたこれからの企業戦略は、すばらしいものがあります。ただ渡邉美樹氏の独裁ではこれからの生き残り戦略を考えたら通用するとは思えません。

政治家として何もできなかった人がなぜ「CEO」に返り咲けるのか、いまだに不思議です。

当然ながら世間の目も疑ってかかるのは当然です。いま彼が本当にやることは、対外戦略ではなく、「ワタミ」という名前が本当の意味での、ホワイト企業としての意義を醸し出すことではないのでしょうか。

またご機会があればよろしくお願いします。今日は最後までお読みいただきありがとうございました。

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