自動ブレーキの誤作動と今後の課題

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今日は少し長くなってしまいますが、最後までお付き合いくださいね。

前回の記事で「自動ブレーキは本当にぶつからないクルマ?」、

というようなことを書いていましたが、その後も気になり色々と調べてみました。

前回は“自動ブレーキ”に対する認識を改めなければならないということをお伝えしました。

今回は皆さんの認識を新たにしてもらうための情報を少しお伝えしますね。

事故を減らすための重要なカギを握る自動ブレーキですが、前回よりも具体化してお伝えしていきたいと思います。

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衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)が作動しない六つのケース

作動速度とは別に、クルマが走行するすべての状況で衝突被害軽減ブレーキが機能するとは限りません。

自動車事故対策機構は、次のような状況の場合、衝突被害軽減ブレーキの作動に注意が必要としています。

① 夜間や雨天の場合

② 窓に汚れがある場合

③ ダッシュボード上に置かれたものが窓に反射している場合

④ 検出装置の前に遮断物がある場合

⑤ 精度保持のためのメンテナンスガ不足している場合

⑥ 歩行者が飛び出してきた場合

④・⑤を除く4項目は自動ブレーキというからには作動してほしいではありませんか。なのに「注意が必要」なんて…

こうした状況は、ドライバーの目にも前方の状況がつかみにくかったり、瞬時に対処しにくかったりして、危険を回避するのは難しくなります。衝突被害軽減ブレーキという装備にとっても、これと同様であることを示しています。つまりドライバーが判断しづらい状況だと自動ブレーキの作動にも不安が残るということです

では、なぜ“自動ブレーキだから安全”というような間違った認識になったのでしょうか?

伝わりやすいが“誤解”も生む宣伝文句

日本での衝突被害軽減ブレーキの導入にあたっては当初、『クルマが自動で回避してはいけない』と国土交通省は指導をしていました。

ところが、スウエーデンのボルボ社が、海外で衝突を回避するシステムを市販していると申し出たことで、国内においても衝突回避性能を備えた装置を市販することが許可されたという経緯があります。

国内で衝突被害を回避できるシステムの市販が許可されるようになると、メーカーは消費者に向けて「ぶつからないクルマ?」といった宣伝をするようになりました。

それは、衝突被害軽減ブレーキシステムの実態を正確に言い表した言葉ではありませんが、消費者には分かりやすい宣伝文句でした。

しかし、なぜ語尾に確定的な「!」ではなく疑問符「?」はつけられていたのでしょう。

衝突被害軽減ブレーキの作動には限定的な条件が必要だからです。メーカーの思惑通り「衝突被害軽減ブレーキ」は広く世間に伝わりました。

しかし、その機能が作動するにはある条件を満たさなければならないという重要な部分が十分に理解されないまま消費者の期待を一気に高めることになりました。

『分かりやすい言葉は大切だ。しかし、クルマは一歩間違えれば人を死傷させてしまう危険性をはらんでいる。だから、分かりやすいだけでなく機能の理解を促す言葉遣いが求められる。

本来であれば「衝突被害軽減ブレーキ」を「自動ブレーキ」と言い表すことさえ控えるべきだ。』と解説の中でモータージャーナリストの御堀直嗣氏は警鐘を鳴らしています。

誤解を生みかねない宣伝手法

クルマの特徴や魅力を表現するうえで、誤解を生みかねない宣伝や広報が当たり前のように行われています。

例えば、一部改良の「マイナーチェンジ」であるにもかかわらず、多くのクルマで「新型」という表現が使われ、「モデルチェンジ」かのような広報・宣伝がされています。

ハイブリッドカーであるにもかかわらず電気自動車であるかのような“言い回し”もいたるところでみうけられます。

こうした消費者を惑わすような表現を自動車メーカーや輸入業者の広報・宣伝担当者が平気で使うことが、衝突被害軽減ブレーキにおける衝突事故につながっている要因になっている気がします。

経済産業省、国土交通省、日本自動車会議所は、高齢運転者を含むすべての自動車運転者による交通事故の発生防止・被害軽減対策の一環として、運転支援機能を備えた安全運転サポート車の普及啓発を実施しています。

「サポカー」や「サポカーS」などがそうですね。愛称としては親近感がもてそうですが、消費者に誤解を与えたり、機能以上の期待を抱かせたりしていないでしょうか。

国内の新車販売は、バブル期以降縮小傾向にあり、その中で売り上げを伸ばそうとする販売努力には頭の下がる思いです。しかし、だからといって消費者に誤解を与える広報・宣伝をしていいという話には決してなりません。

まして、安全にかかわる機能や装備の詳細な情報を正確に消費者が理解できるように説明する責任がメーカー側にはあります。

「とにかく売れればいい」といった間違った認識が少しでもメーカー側にあると、そこで情報はゆがめられ、私たち消費者には正しく伝わりません。

まだ記憶に新しい“完成検査問題”や“排ガス偽装問題”の原因とまではいかなくても一要因にはなっているでしょう。このような自動車メーカーの一連の問題は、顧客の存在を忘れ社内への内向き意識で仕事をする空気が蔓延しているのではと首をかしげてしまいます。

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人が運転することが前提


恥かしながら私は知らなかったのですが、「自動運転」というものにはなにやら“レベル”というものが存在することがわかりました。

みなさんごぞんじでしたか?

日本では,米国運輸省(NHTSA)の定義に基づいて,レベル0からレベル4までの5段階で自動運転レベルを定義していましたが,2016年9月にNHTSAが発表した政策において,SAE(Society of Automotive Engineers)の6段階(レベル0からレベル5まで)の定義を採用することになりました。

よって,日本も国の政策として今後は6段階のレベル定義を使用していくことが決まっています。

このSAEの定義では,「誰がいつ何をするか」によって車両をレベル分けしています.

現行の衝突被害軽減ブレーキを含む現在の運転支援システムは、人が運転することを前提とする「レベル2」の段階です。

「レベル3」は、普段はシステムが運転し悪天候やスピードを出している時など自動運転プログラムの限界を超えた場合、ドライバーに運転を代わるよう音声などで伝えます。

完全な「自動運転」ということができるのは、将来の「レベル4~5」になってからとなるでしょう。

現行の衝突被害軽減ブレーキは、常に人が運転していることを前提にそれを補助する「レベル2」であり、危険回避操作も運転者自らが行います。

それでも間に合わない状況において補助し、被害を小さくするための機能にとどまります。

一方で「レベル2」の運転支援機能は、車間距離を維持しながら前を走るクルマに追従したり、車線を維持したりすることができ、あたかも自動運転が可能になったかのよう錯覚してしまいます。

「自動運転機能搭載」などと宣伝する自動車メーカーもありますが、あくまで運転支援機能であることを忘れてはいけません。

「自動運転」を印象付けるより、『運転操作に無駄がなくなり同乗者が快適で、安心できる運転につながる支援』との理解が深まるのが理想ではないでしょうか。

「レベル3」の実用化に課題

現在の「レベル2」においても、システムに起因する事故が起きている実態が明らかになりました。

これは、運転者がクルマの支援機能に依存し過ぎた可能性があります。「レベル3」になると、普段はクルマの自動操作に依存して走行できるにもかかわらず、万一の場合には人に運転がゆだねられます。突然そんな状況になったとき、みなさんは対処できるでしょうか?

正直、私には自信がありません

「レベル2」の運転支援で長時間走行し続けると、人はクルマへの依存心が高まります。

そんな時、依存していた支援機能から急に「運転代って!」と言われたと想像してください。

『ちょっと待って!!』は無いのです。瞬時に状況を認識し正確な対応をしなければなりません。「レベル3」の自動運転(運転支援機能)とはそういうものです。

だから「レベル3」では市販されるべきではなく、現在の「レベル2」から次の段階へ移行するタイミングは「レベル4」以上であるべきだと私は考えます。

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自動ブレーキの誤作動と今後の課題、まとめ

自動運転(現在では運転支援ですが)というと、世界中のあらゆる道で利用できると考えられがちですが、それでは自動運転の実用化はまだまださきの話になってしまいます。

しかしながら、公共交通機関が整備されにくい地域や限定された区間のみの運用という限定的ではあっても、生活支援の一環として自動運転の部分的な導入は進めるべきです。このような自動化への柔軟な運用も必要でしょう。

また、自動運転の実現にはタイヤのパンクに対する措置(パンク状態でも一定距離を走れるランフラットタイヤの標準装備など)も考慮されるべきですね。

タイヤがパンクしたら、ハンドル操作も格段に悪くなるし、ブレーキも効力が落ちてしまいます。

いずれにしても、メーカー側には安全性能について過剰な期待を抱かせる広報・宣伝は控えていただき、実用化に向けて柔軟な運用を進めていただきたいですね。

その際には、その機能を十分に把握できるように特徴とリスクの理解を促す努力を惜しまないでもらいたいです。

本日も最後までありがとうございました。

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