さて、みなさんは「自動ブレーキ」と聞いてどのような印象をうけるでしょうか。
現在では安全装備のひとつとして当たり前のように装備されています。
古い車でも現在では開発技術が進み、後付けできるようになったりして車の安全装備は日進月歩進んでいるといえるでしょう。
ただ、各メーカーや車種によっても、その性能に大きな違いがあり、偏に事故が回避できるかといえばそうではないですよね。
私の車も「自動ブレーキ」はついていますが、今までの運転の中で、作動したことはありません。
いざというときに本当に作動するのか、また、誤作動は本当に起こらないのか、いろいろと考えたりもしますが、自分なりに気になることを含めて記していきますね。
自動ブレーキは本当にぶつからないクルマ?


この数字を少ないととるか、また多いととるかは個人差があるとは思いますが、この事実は無視できませんよね。
国内では03年から自動ブレーキを装備した車両が市販され、その後急速に普及しました。
16年に生産された乗用車の66%(約248万台)に搭載されています。
「ぶつからないクルマ」と評されることも多い自動ブレーキ搭載車で、なぜ事故が相次いでいるのでしょうか。
モータージャーナリストの御堀直嗣氏の解説をみると、「自動ブレーキに対する認識を改めなければならない」と正直なところ感じました。
ブレーキが勝手に作動 249件
今年7月、「自動ブレーキ事故72件」の報道がありました。
2020年に高速道路での自動運転実用化へ向けた開発が進められているというのにです。
こうした報道は、自動車メーカーも消費者(もちろんのこと私も含みます)も、自動ブレーキに対する正しい理解と使い方の認識が不足していることを示しているのではないでしょうか。
皆さんはこう認識してはいませんか?
“自動ブレーキ=自分が何もしなくてもクルマが自動でブレーキをかけてくれて安全”と。
実際、私もそうでした。
国交省によると、昨年にドライバーやメーカーなどから報告のあった自動ブレーキのトラブル情報は計340件に上ります。
ほとんど毎日といっていいほどにどこかしらでトラブルが発生していることになります。
安全性の技術的検証を行っている独立行政法人・自動車技術総合機構の交通安全環境研究所が分析したところ、自動ブレーキが十分に作動しなかった例は88件あり、そのうち72件が接触や追突などの事故につながっていたということです。
実に81%を超える割合です。
しかも、歩行者がはねられて死亡した事故も1件ありました。
一方で、不必要な場面で自動ブレーキが勝手に作動したという例が249件もあり、そのうち10件が予期せぬ急減速・急停止で後続車に追突されるなどしたということです。
“ブレーキが作動しなかったり、関係ない場面で作動することがる?”
そうだとしたら少し怖くはありませんか。「自動ブレーキ」に対する認識を正す必要があります。
“自動運転ではない”という事実】
安全にかかわる装備や機能は、完成度と信頼性が十分に高められたうえで市販されるべきです。
しかし、事故を未然に防ぐことが目的であるため、一刻も早い導入が事故低減につながることにもなるのは事実です。
完璧を目指すのはもちろんではあるとしても、現実の交通では不確定要素がつきまとうため、何を持って完璧かという答えを出すのは難しいでしょう。
また、それをずっと待っていては、新たな技術で回避できたはずの事故を防ぐことができないことにもなりかねません。
自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキといいます)を含む運転支援機能を搭載したクルマはすでに量産され市場に出回っています。
ならば、その機能や作動条件(条件を満たさなければその機能は作動しない)をメーカーは正しく伝え、消費者に正しい理解を促すことが大切になります。
現在、市販車に搭載されている運転支援機能はすべて「自動運転ではない」ことを改めて認識し、過信しないよう肝に銘じることも重要です。
【自動ブレーキ】の誤作動と原因のまとめ
衝突被害軽減ブレーキの作動メカニズムは次のようになっています。
「カメラやセンサーを使い、障害物を発見・認知すると、まず運転者にメーター表示や警告音で注意を促す。
それでも危険回避の操作が運転者によって行われない場合、クルマがブレーキを自動的に作動させ減速し、衝突を回避したり、回避はできなくても衝突時の速度を大幅に下げたりして被害を軽減する。」というものです。
ここで重要なのは「衝突を回避できる速度」と「回避できず被害を軽減する速度」の条件があるということです。
つまりすべての走行状況で衝突を回避できるわけではないのです。
というのも、高速になればなるほど、遠い先にある交通状況を的確に判断するのは難しくなり、また状況認識が不十分な状態でブレーキが作動しては誤動作となる心配があるということです。
衝突安全性能の評価を行っている自動車事故対策機構が、時速10~60キロの速度域で作動試験を実施して評価結果は★の数で表し、5段階で安全性を示しています。
しかしこの評価では、高速走行が想定されていないため、時速60キロ以上では衝突を回避できない可能性が高くなるということになります。
自動車専用道路や高速道路上で80~100キロで走行し、運転者が減速などの危険回避操作をしなければ、たとえ衝突被害軽減ブレーキの作動によって速度を落とすことができたとしても、障害物に衝突すると考えた方がいいでしょう。
一方、交差点などで目の前を歩行者が横断するといった場面では、瞬時にブレーキ操作を行わなければならないため、低速での作動の判定もかなり難しい技術となります。
「自動ブレーキ」という言葉からイメージするものとはずいぶんと違いがあると感じますね。
次回はもう少し詳しくお伝えします。またお立ち寄りください。
また、ご機会があればお寄りいただければ幸いです。お付き合いいただき、ありがとうございました。
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