湯布院

 

朝焼けの中で霞のように浮かび上がる金鱗湖

最果ての国のようなそして誰もいない大地のような

静かな自然の響きの中で

限りのない清水の音が響きわたる

湖を泳ぐ鳥たちをかき消すように広がる幻想の霧

まるで周りの樹々たちと言葉を交わすように霞は動き

鳥たちにやすらぎの場所を教えるように

暖かな清水は湧き出る

冬には珍しい青き空

由布の山頂から吹き降ろす柔らかな光は

山岳に広がる由布の盆地を

柔らかく包み込むように降り注ぎ

つかの間の休日をつかさどる人々の心に

静かな心の安らぎを与える

 

 

 

 

        

     志高湖

 

早春の雨に迷いさまよう冬の忘れ物

はるか何千キロもの大陸から舞い上がる悲しさの響き

飛ぶことを忘れたひとつの命に

やがて来る南からの熱い光に溶けて流れる

次々に北を目指して旅立つ仲間たち

振り向きもせずただ我が命を守らんとする

今はこの大地に静かなる助けを求め

いつしかあの大空を飛ばんと夢を見る

 

 

 

     耶馬渓

 

星の降りしきる夜にさそり座の涙に濡れて

変りもしない風景に腐りかけた昔の思い出を掻きむしる

あまりの静けさに言葉も出ないほどの寂しさを覚え

山国の流れに死にゆく人々の叫びと

静かに夜を包みゆく古き洞門の心に

いつしか仏に仕えた人々の慰めを聞く

 

 

 

     別府

湖に光る真夏の光を幾度か見下ろす鶴見の頂き

時の中を深閑とした情景が包み込むかのように

すべての夢が動き出し

ただ掻き立てる心のざわめきに

息を止めてしまい立ち止まる

遠き心の想いがかもしだす「はるかなる空」

もう過ぎてしまったすべての景色が

現実との接点を切り離す

舞い落ちる心の悲しみを

思わずして過ぎてゆく言葉の意味を

時の過ぎゆく古き思い出の中で

ただ帰らんと夢を見る

 

 

 

     はるかなる空(古里)

 

はるかなる川の流れ

澄みゆく山の頂き

牛の鳴き声に驚いたように飛び立つ野鳥たち

細い田舎道を赤とんぼを追いかけながら走り去る幼き姿

沈む夕陽さえ鳥たちが見守り

いつしか西の山に音もなく静かに消えていく

響きわたる日暮らしの鳴き声に一日の終わりを知り

包みゆく夕暮れの静寂の中に

家々から楽しき人々の姿を映しだす

老いた自分を囲む子供たちに昔の頃を言い聞かせ

ただ古き友に我が青春の想いを募らせる

今一度帰りたき

遠き心のふるさとへ

 

 

 

     道(我が人生の途中から)

 

深みゆく秋の風に遠く思う悲しみの時

忘れかけた記憶の中に今は無き自分の姿を探しだす

湯けむりの中に見える若き青春の日々

静かに浮かぶ瀬戸の島々に消えた永遠の日々

土佐の荒海に包まれた古き歴史の鎖

すべてが我が心の想いの中に帰り

苦楽を共にした美しき人々に別れを告げる

長き旅路の果てにたどり着いた始発点

探し求めていたものを旅立ったところに見つけ出し

振り返ることしかできない思い出の中に

ただ祈る言葉を刻み込む

セピア色に染まる数々の想い

古新の動きに動じて再び旅立たんとする

自心とともに止まるな

果てしなき挑戦の生きざまを

我が人生の途中から

 

 

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村