旅に出よう!

旅情小曲詩 

旅情小曲詩 

由布岳

■ 湯布院

 

朝焼けの中で霞のように浮かび上がる金鱗湖

最果ての国のようなそして誰もいない大地のような

静かな自然の響きの中で

限りのない清水の音が響きわたる

湖を泳ぐ鳥たちをかき消すように広がる幻想の霧

まるで周りの樹々たちと言葉を交わすように霞は動き

鳥たちにやすらぎの場所を教えるように

暖かな清水は湧き出る

冬には珍しい青き空

由布の山頂から吹き降ろす柔らかな光は

山岳に広がる由布の盆地を

柔らかく包み込むように降り注ぎ

つかの間の休日をつかさどる人々の心に

静かな心の安らぎを与える

 

 

別府市志高湖の白鳥

志高湖

 

早春の雨に迷いさまよう冬の忘れ物

はるか何千キロもの大陸から舞い上がる悲しさの響き

飛ぶことを忘れたひとつの命に

やがて来る南からの熱い光に溶けて流れる

次々に北を目指して旅立つ仲間たち

振り向きもせずただ我が命を守らんとする

今はこの大地に静かなる助けを求め

いつしかあの大空を飛ばんと夢を見る

 

大分県深耶馬渓の紅葉

■ 耶馬渓

 

星の降りしきる夜にさそり座の涙に濡れて

変りもしない風景に腐りかけた昔の思い出を掻きむしる

あまりの静けさに言葉も出ないほどの寂しさを覚え

山国の流れに死にゆく人々の叫びと

静かに夜を包みゆく古き洞門の心に

いつしか仏に仕えた人々の慰めを聞く

 

 

 

別府鉄輪温泉

■ 別府

湖に光る真夏の光を幾度か見下ろす鶴見の頂き

時の中を深閑とした情景が包み込むかのように

すべての夢が動き出し

ただ掻き立てる心のざわめきに

息を止めてしまい立ち止まる

遠き心の想いがかもしだす「はるかなる空」

もう過ぎてしまったすべての景色が

現実との接点を切り離す

舞い落ちる心の悲しみを

思わずして過ぎてゆく言葉の意味を

時の過ぎゆく古き思い出の中で

ただ帰らんと夢を見る

 

 

 

別府鶴見岳からの景色

■ はるかなる空(古里)

 

はるかなる川の流れ

澄みゆく山の頂き

牛の鳴き声に驚いたように飛び立つ野鳥たち

細い田舎道を赤とんぼを追いかけながら走り去る幼き姿

沈む夕陽さえ鳥たちが見守り

いつしか西の山に音もなく静かに消えていく

響きわたる日暮らしの鳴き声に一日の終わりを知り

包みゆく夕暮れの静寂の中に

家々から楽しき人々の姿を映しだす

老いた自分を囲む子供たちに昔の頃を言い聞かせ

ただ古き友に我が青春の想いを募らせる

今一度帰りたき

遠き心のふるさとへ

 

 

福岡県遠賀郡遠賀町の田園風景

■ 道(我が人生の途中から)

 

深みゆく秋の風に遠く思う悲しみの時

忘れかけた記憶の中に今は無き自分の姿を探しだす

湯けむりの中に見える若き青春の日々

静かに浮かぶ瀬戸の島々に消えた永遠の日々

土佐の荒海に包まれた古き歴史の鎖

すべてが我が心の想いの中に帰り

苦楽を共にした美しき人々に別れを告げる

長き旅路の果てにたどり着いた始発点

探し求めていたものを旅立ったところに見つけ出し

振り返ることしかできない思い出の中に

ただ祈る言葉を刻み込む

セピア色に染まる数々の想い

古新の動きに動じて再び旅立たんとする

自心とともに止まるな

果てしなき挑戦の生きざまを

我が人生の途中から

 

 

宮崎日南海岸ロードパーク

 

■ 日南海岸

 

真夏の光に染まる南国の道沿い

堀切へと向かうソテツのアーチが

海岸線へとゆるやかに導く

過ぎる楽園に楽しき人々の声を響かせて

青島へと向かう海の中道を

挟み込むように広がる鬼の岩

南洋の風景を重ねるように

心の景色が溶けていき

やがて見える壮大に海に

息もつかぬ感動がよみがえる

天海の接点を見るように曲がる水平線

急な斜面に広がる緑の舞

丘の上から展望する大いなる海のきらめきが

すれ違う名も知らぬ人々とのふれあいを熱くする

限りなき青き海をいだき

そして白い鳥たちを追いかけながら

車は海岸線をゆるやかに走りゆく

 

長崎市の夜景

 

■ 長崎

 

南蛮の鼓動

遠い水平線の彼方から訪れる我が心の教え

聖カトリック名に委ねる自らの命を

今は無き開国の街に探しだす

時に、西への風を吹き下ろす稲佐の峰に

心の予言を映し出し

人々の祈りを古きにわたり聞き募る大浦の天主に

我が赤い糸の問いかける

石畳に流れる春の雨

いつ止まることのない長き雨音に

遠き異国の姿を醸し出し

見れぬ帆船の港を見渡すグラバーの丘に

幕末に生きた若き志士たちを思い出す

古き荒廃の生きざまを

すべて残すかのように建つ平和の像

水の流れに染まる黒き心中の魂に

永き時代に続くであろう

人々の限りなき悲痛の叫びを

輝く噴水の石碑に伝わらせる

霧に包まれる街の面影か

歩き見る坂道の上より

 

出雲大社拝殿

■ 出雲国

 

まばらな人影薄く

遥か平野を望む出雲の丘

月日の流れに

変わらぬ姿をさらし

今に聞こえる王国の静かなる叫びを轟かす

意宇の土地に広がる幾つもの社宮に

続く神話の虚宮を創り出し

人々により造営し

人々により時の中を

遥か永遠の時代へと導かす

遠く中海を望む緑の丘

古き歴史の扉を開かせるように

静かに何千年もの形が横たわる

見渡す古き丘陵の芸術よ

「八雲立つ 風土記の丘より」と書く

 

別府鉄輪温泉の湯けむり

 

■ 30年目の古里から

 

緩やかな斜面に醸し出す湯けむりの舞

扇のスロープに滑るように走る街の明かり

遠く十文字に見える人々に手を広げ

過ぎるであろう、明礬の白き花を思い浮かべ

やがて登り詰める緑の草原へと心は運ぶ

青き海に微かに見える伊予の国

三崎の影に小さな船が通り過ぎ

まるで大きく島々を包み込むかのように湾は曲がる

時、過ぎ行けど景色は変わらず

住み慣れた宿を通り過ぎ、正門へと続く坂道をひとり歩く

今は見れぬ人々を知らぬ間に探し求め

会えるはずもない遠き日々に

ただ今は・・・・・と涙する

踏み込めぬ懐かしき母校の前に立ち竦み

鶴見の山から吹き降ろす春の風に

初めて訪れた日を思い出す

時の流れの速さに

消えていくひとつひとつの言葉が

自らの体を過ぎていき

誰が知るのであろう

舞い落ちる心のざわめきを

あの日「古里」となずけた友達よ

今一度きたらん

 

さくら

 

■ 春の舞

 

変わる季節の色に、白き色を添える優装の桜

池の湖畔を囲む人々に、少しの安らぎを与え

暖かな風と消えるゆきずりの思いに

また逢わずと手を合わせる

舞い落ちる花びらにかすかな時を知り

やがて緑へと移りゆく景色の色に

走りくる夏の光を思い出す

都会の中に大きく広がる森林の森

いつ消えることがない金毘羅の丘に

遠く繋がる帆柱の峰へと心は向かう

少しづつ消えていく自然の力に

進みゆく人々の力が重なり合い

まさに青色に染まる空の情景に

幼き古里の想いを重ねていく

残る満開の花びらたちよ

今から続く時代の中で

永遠の力を映し出せ

 

都井岬の野生馬

 

■ 都井岬

 

透明に溶けていく青い海

沈む夕日の中で水平線に彼方へ消えてゆく鳥たちの群れ

真夏の光に溶けようともせずに

ただ夕日を追いかけながら飛んで行く

いつしか潮騒の音にやすらぎのこころを覚え

じっと見つめる小さな船に

この海が続くであろう

異国の景色を思い浮かべる

夕凪の中で静かに明かりをともす白き灯台

いつ届くことがない旅路の夢を

時の狭間の中で心願する

急な斜面を駆ける野生馬たち

自然の動きに応えてか

狭き緑の丘を振り向きもせずに走り去る

幾度見るのであろう

魅せられた岬の景色よ

幼いころに秘められた小さな誓に

 

霧島の雲海

 

■ 霧島

 

薄い雲に霞む韓国の頂き

登りつめた景色の中に

美しき高原の広さを思わせて

今はまだ見れぬコスモスの色を

走るやまなみの中に幻想する

目の前を過ぎるからぶき屋根の峠茶屋

やわらかな風に吹かれ

静かな時を刻ませて

合掌する鳥たちの声に

ただ人々の足を止まらせる

登りつめた曲がり坂の向こうに見える下界の街並み

えびのから続くループの道筋が

小さく消えていくように延びてゆく

やがて道をも塞いでしまうかのように

熱き間欠の鼓動が鳴り響き

息づく山々から白き湯けむりを吐き

潜む自らの力を大地に伝わらせるように吹きさらす

静動の界今に見る霧島の山々に

震え立つ心の動きを抑えて

包み込む雲海の広さに

限りなき天孫降臨の夢を

我が心の中に映し出す。

 

 

■ 高天原

 

朝焼けの中で霞のように浮かび上がる緑の山々

最果ての国のような

そしてだれもいない大地のように

微かな響きのをたてながら

今も限りのない歴史を造り続けていく

名も知らぬ川の流れに心の動きを読み取られ

自ら叫ぶ言葉の薄さに

澄みゆく朝の光が染まりだす

遠く見渡す日向の国

何千年もの今に生まれ

何千年もの過去に我をさらす

不動の山に天への道が導かれ

いつしか終始人の心を創り出し

導かれる神道の神話に

人々の心をつかさどる

突然見た天への道

自らの創造の中で静かにそして限りなく映し出せ

今見る高天原の地よ

 

 

■ 霧島神宮

 

高原林の中を通りゆき

道は緩やかに下りこむ

杉の木立ち深い老樹の中に

真っ赤な鳥居が姿を現し

長き参道の坂を少しずつ

本殿へと登りつめる

どこからか聞こえる小原節

唄いだされる自然の景色に

神代に続く遠き歴史を追いかけて

今は無き古宮の姿を

自らの心の中で創り出す

深閑とした風景が醸し出す幽玄の風

夏の陽ざしやわらかに

旅の思い、さらに南へと下りていく

 

 

■ 鹿児島

 

熱い風とともに見えてくる大いなる姿

息づく島の周りに

静かなる海が広がり

霞む街影に

包み込むように被さる灰色の噴煙

流動する姿を自ら知り

息づく間もない山の斜面に

時代を語りゆく

黒溶の岩石を見る

行く旅の道ずれか

夏の光をいっぱいに詰めて

緩やかな海岸線を走りゆく

南洋にも似た植物のアーチを通り抜け

やがて錦江の外海へと向かう白き鳥たちに出会う

細い道を登り詰め

展望のきざし今に見える本土最南端

限りなく広がる青い海に

今はまだ見れぬ島々の姿を心の中に映し出す

すばらしき大自然のパノラマか

立ち止まる南国の情景より

 

 

■ 萩

 

静寂の中に今も凍えそうな冬の色

東大寺をも思い出す道沿いに

悲しみの響きにも似た寒風が吹き抜ける

菩提寺として聖なる命をうけて

今も静かに眠らんと毛利の墓を見守る

雲の狭間から見える微かな光

遠く街並みの向こうに見える緑の丘

まるで人々を動かさんとするように城は立ち

人々を守らんとするように寺は立つ

幕末に生きた人々の思いは

今に残る色褪せた石垣の中に語り継がれ

歩き見る古き家並みが

静かに流れる時の刻みを止まらせる

古窯の甘き匂いに誘われて

我ひとり歴史の道をさかのぼる

持ちいだくか心の色よ

静寂の中に見る城下町の中で

 

 

■土井ヶ浜

暮れる夕日の静けさか

広がる青い海に

時を追うように変わる山陰の浜

遠い時代を語りゆく

名もなき古代の足跡

いくつもの石棺をちらばせて

囲む今の景色に

ただ歴史を明かすように横たわる

遠くに聞こえる波の音

走る音さえ微かな海岸線

染まる夕日の影が

数えるだけの松林を

静かに淡色の筆に変えていく

誰もいない時をさかのぼる

古き浜辺の遺跡たちへ

 

 

■ 轍

 

まだ見えぬならば悲しみを食べ

もし届くならば叫ばんとする

いつの日が忘れかけた若き日々

弱卒な心に投げかける

幾度となく繰り返される矢印に

知らされるままに走り去る時の影

想到せぬ心に人を傷つけ

想明せぬ体に言葉を失う

過ぎゆかんとするならば

それもまた止めようとはせず

ただ避けんとする者だけを見て歩きだす

手探りでかき分けた行くつもり祈り

届かぬ誓と知りながら

今をも見上げぬ他界への道

言葉では崩れない隔壁が

細い道の上に立ちはだかる

数えきれないほどの苦しみを

まるで楽幕を探すかのようにかき分けて

行く果てにまだ続かんと赤い糸が伸びてゆく

進みゆく心瞳の田舎道よ

小さな足跡を見上げる轍の思いに

 

 

■ 大観峰

 

深まる秋の中に

大きく立ちはだかる外輪の山々

雄大な景色に

今も飲み込まれそうな小さな人間たち

古き時代に大いなる響きを残し

限りなく広がる大地の狭間に

誰も知らぬ静かに動きゆく

流動の鼓動が聞こえる

今は初秋

さわやかな風と共に聞こえる人々の声

遠く一の宮の街を望む外輪の峰に

深みゆく秋の足音が聞こえる

すばらしき大自然の絶景か

立ち止まる阿蘇の情景より

 

 

■ ハレー彗星

 

暗闇の中に小さく輝く星の群れ

幾つもの時代を通り過ぎた流れに

今たどりつく人々の感動

永遠の旅路を夢として

幻にもなた彗星の宿命をつかむ

古きテラの物語を自ら創り上げ

天地創造の主として

尚も界上の空を過ぎていく

いつ帰るのであろう無限の終着点へ

何百光年の光の中に

静かに眠る人類の魂に

ひとにぎりの小さな歴史を伝わらせる

再び見るもうひとつの時代に

想像を超える未知への世界を予言して

旅立つ幾つもの星が

限りなく宇宙の鼓動を震わせる

旅去りずハレーの面影よ

抱きしめる星空の思いより

 

※詩というものは、自分の心を表現するひとつの手段だと感じています。少しでも目の前に広がる情景が伝われば、と思い書き記しています。

※小曲詩については、過去30年の間で、幾度となく新聞や雑誌に掲載されました。

感じ方というのは人それぞれ違うので一概にすばらしい、とはいいがたいものがあります。

ただ、旅をする中で、自分が感じた情景を詩に託して表現する、ひとつの手段だと思うので、これからも続けていき、少しずつこの記事内で更新していきます。

今日は最後までお読みいただきありがとうございました。

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