【温泉津温泉】と世界遺産の石見銀山

【温泉津温泉】と世界遺産の石見銀山

こんにちは、ワカマツです。

今回は島根県大田市温泉津町について記していきます。ここは私にとっても思い出深い場所、またトラベルライターをやり始めて間もなく訪れた温泉の一つでもありました。

🔶温泉津温泉と世界遺産の関連

■温泉津温泉の歴史

島根県大田市温泉津町(旧島根県邇摩郡温泉津町)[にまぐんゆのつちょう]、私がこの温泉津温泉を初めて訪れたのは今から15年前、隣の仁摩町を含め大田市と合併したのは2005年のこと、だが今でも不思議に大田市と温泉津町は別個に考えてしまう。大田市の一部の町ではなく、温泉津としての独立した町であるということだ。

温泉津は文字どうり、津(港)にある温泉だ。日本海の青い海が見える。温泉街は昔ながらの狭い通りで、「残照の中にある」という言葉ピッタシの情景を醸し出している。

温泉津温泉は「元湯」・「震湯」・「小浜湯」の3ヶ所から温泉が湧く。元湯は千年以上の歴史を持つという。ひなびた温泉街の街並みだが、人々の足をふっと止めてしまう情景がこの街にはある。

今回は歴史神話の詳しいことはあまり書かないつもりだ。『古事記』・『出雲国風土記』もそうだがあくまでも神話の世界、少しだけ触れておくことにする。

出雲神話によれば、スサノオの命は、朝鮮との往来の度に温泉津に立ち寄られたということだ。汚れた衣服を着替えられた神話にちなむ衣替(きぬがえ)神社が、今も厳島神社境内の中に祀られている。

温泉津の発見は千年ほど前、小屋で休んでいた旅の僧が妖怪に襲われた。僧は一撃のもとに妖怪を退治した。翌朝、血の跡を辿ってゆくと草むらの中で傷をいやしている古狸がおり、草むらから温泉が湧き出ていたという。俗にいう動物の温泉発見話のパターンである。

震湯は明治5年、浜田地方の大地震の時に湧きだした。小浜湯は、大正8年に掘削したものだ。温泉津は懐深い港を持ち、船人たちには古くから知られていたが、広く知られるようになったのは16世紀からである。北回り船の停泊港でもあった温泉津だが、ここから10キロほど南の中国山地にあった大森(石見)銀山で産出する銀を、この温泉津から搬出するようになってからである。

享禄4年(1531)から永禄5年(1562)にかけての30年間に、銀をめぐって大内氏と尼子氏、毛利氏と尼子氏が激しい攻防を繰り返す。慶長6年(1601)に銀山は、徳川幕府の天領になり、同時に積み出し港である温泉津も活気を催した。

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■温泉津秘話

今から10年以上も前の話になるが、福岡在住の有名なトラベルライター、正木茂氏(実名出しの許可済み)という方がいる。今では私の師匠でもある方だが、正木氏がこの温泉津を初めて訪れたのは今から35年前ぐらいだそうだ。その時の秘話を私に語ってくれたのを思い出し、少し記してみることにする。

正木氏が温泉津を訪れてやったことはまず温泉に入ること。今の薬師湯だそうだ。ここで出会った妙な人物が河合茂氏、当時65歳ぐらいだったらしい。名前が一緒だったこともあり、今でも覚えているそうだ。当時、河合氏は「ゆのつ天領館」と名が付くお店のオーナーだったらしく、温泉に浸かりながら話していると、「温泉津のことが知りたいなら俺についてこい」と言われ、言われるがままについていったという。自分が好きで集めたコレクションが数多くあり、その中でも石見銀山に関する物が興味をひいたらしい。

銀を江戸幕府に運搬する船が用いた「石州御蔵入の旗」というものがあり、この旗をたてていると港の船は水路を開けたと語っていた。「御往来簸」は、銀運搬船の乗務役人が持っていたらしく、荷物の送状や受取状を収めた物だったらしい。その他生活民具のコレクションに関してはおびただしい数にのぼったそうだ。今でもその一部が、観光案内所の2階に展示されていると聞いた。

一番最初に河合氏のことを「妙だ」と記したが、この方、当時では温泉津の名物男であったらしい。そもそも何故かチョンマゲ姿だったらしく、出会った時から正木氏は「この人間なら温泉津の事を何でも知っているに違いない」と思ったそうだ。

河合氏はこう話していたという。「このチョンマゲ姿を初めて10年近くになる。近くのばあさんが、私は13歳の時から髪結い一筋に60余年生きてきたが、一度、チョンマゲを結ってみたい、と言ったのがきっかけで、望みを叶えてやろうと思いチョンマゲにした」という。

この河合氏、波乱万丈の人生を送って来たらしく、正木氏はまるで将来の自分を見ているようだったと語っている。河合氏は関西学院卒、海軍中尉で終戦を迎え、負けた国よりも勝った国がよかろうと、密航同様に外国船に潜りこんで、アメリカに渡った。

皿洗い雑役のあと、ハリウッドで下っ端役も務めたが、うだつが上がらず5年で帰国。大阪で30以上も職業を転々として、出雲大社に参拝したのがきっかけで、そこで小店を持ち、10年ぐらいで6店舗を展開した。

しかし、奥さんが便秘で苦しむのを見かねて、よい温泉があると聞いて温泉津へ湯治に来たらしい。すごく効いたらしく、奥さんも大喜び、ついでに温泉津に移り住んで、蕎麦屋を皮切りにパブ、お土産店、骨董品店、天領館など5店舗を経営して財を成している。

人生流転、漂泊を絵にかいたような人生だが、正木氏が語るには、石見銀山と温泉津温泉についてのうんちく、雑学、小道具コレクションはものすごいものがあり、半端ではない人生が恐ろしいほどに感じられたという。

当初はよそ者のゆえ苦労もなめたらしいが、当時から河合氏が熱弁していたことがあるという。その頃の温泉津はもちろん世界遺産のことなど考えもしない町であった。また石見銀山とは切り離して観光のすべてを考えていたらしく、「それは間違いだ、これから先は温泉津と銀山を結びつけての歴史の再認識が必要である」と語っていたそうだ。

その当時では、観光客誘致を具体的に示す人物が温泉津にはおらず、鳴かず飛ばずの経営がどの店も続いていたのだと言う。温泉津にとってはなくてはならない名物男であり、彼みたいな先見を持った人がいたからこそ、今の温泉津がある、と正木氏は熱く語っていた。

■温泉津温泉秘話まとめ

温泉津温泉は、日本海に面し魚料理も本当においしい。昔からの石見焼の窯もある。江戸中期、江戸の人口が40万人ぐらいだった頃、温泉津・大森地区には20万人近くの人が暮らしていた。そして、「沖泊」には毎日平均50隻以上もの船が入港したという。

いつも思うのだが、その土地の歴史を知る上で、何よりも大事なのは神代の歴史ではなく、現実に成してきた近代の歴史を正確に知ることだと考える。それ無くしてはその土地の発展と繁栄はないような気がする。

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🔶温泉津温泉観光

■薬師湯(日帰りの湯)


場所: 島根県大田市温泉津町温泉津
時間: 入浴 5:00~21:00 ・休憩室 9:00~17:00 ・貸切湯(家族湯) 5:00~21:00(40分間)
休み: 年中無休
料金: 大人 350円 小人 200円 洗髪料 50円 貸切湯(家族湯) 大人 500円 小人 300円
問い合わせ: 0855-65-4894島根県内で唯一、全国でも12箇所しかない、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%本物のかけ流し湯温泉。山陰では「オール5」評価の温泉はこの湯だけです。

源泉は建屋のすぐ後ろにあり、本物の源泉そのままのかけ流し湯です。まさに「湯治」という言葉がピッタシの日本でも有数の温泉効能です。(石膏弱食塩泉)

温泉津町観光協会公式サイト

■元湯(日帰りの湯)

場所: 島根県大田市温泉津町温泉津
時間: 5:30~20:20
休み: 無休(年2回臨時休あり)
料金: 大人300円 小人150円
問い合わせ: 0855-65-2052(長命館)発見以来約1300年の歴史を持つ湯治場。歴代の代官や浜田・津和野城主もこのお湯に入り、その記録を示す看板が、湯治・保養の宿・長命館の前に掲げられている。その薬効の高さは有名で、現在も県の内外から沢山の湯治客が訪れる。

■衣替神社(厳島神社境内)

        

冒頭に記したスサノオの出雲神話に出てくる衣替神社。神話的要素の神社なので興味がある方は行かれて見学するのもいいと思います。

■温泉津やきものの里

日本全国でも最大級といわれる、長さ30mと20mののぼり窯がシンボル。
かつて石見銀山で産出された銀の積出港だった港町・温泉津は、質の良い土ときれいな水、豊富な木材のおかげでやきものの生産地としても栄えていました。その名残を残す巨大な2基の登り窯と温泉津焼にふれることができるのがやきものの里です。
やきもの館は温泉津焼の貴重な資料の展示や陶芸体験、地元窯元の作品の展示販売も行っています。
中でも、創作体験は人気で「手びねり体験コース」と「絵付け体験コース」があります。スタッフが丁寧に指導してくれるので、初めてでも安心して作ることができます。

住 所 島根県大田市温泉津町温泉津イ22-2
電話番号 0855-65-4139
営業時間 9:00~17:00(創作体験の最終受付は16:00)
定休日 水曜日(祝日を除く)
12月30日~1月3日(年末年始)
臨時休館あり
駐車場 10台

やきものの里公式サイト

■石見銀山世界遺産センター

ヒノキ梁を使ったエントランスには銀山遺跡全体が見られるジオラマのほか、30kgの銀塊を実際に持つことができたり、「大久保間歩」の一部を忠実に再現した展示室など、石見銀山の歴史や鉱山技術を分かりやすく紹介している施設です。
また、石見銀山をより深く体感できる様々なプログラムも開催。

毎週水曜・木曜日は低融点合金(すず・ビスマスの合金)やプラ板をつかった「丁銀づくり体験」の日になっており、手造りのキーホルダーやストラップを作ることができます。石見銀山の見学は、ここからスタートです。

世界遺産になっている石見銀山の大森地区は一般車両の乗り入れが禁止されています。いわゆるヨーロッパよくあるパークアイランド方式をここでは採用しています。もちろん駐車場もありませんので、この世界遺産センターからシャトルバスで行くようになります。

住所 島根県大田市大森町イ1597‐3
電話番号 0854‐89‐0183
営業時間 ●3月~11月 8:30~18:00
有料展示室 9:00~17:30(最終受付17:00)
●12月~2月 8:30~17:30
有料展示室 9:00~17:00(最終受付16:30)
定休日 毎月最終火曜日、年末年始
駐車場 400台(無料)石見銀山世界遺産センター公式サイト
      
「龍源寺間歩」公開されている唯一の坑道跡です。「間歩」とは銀山坑道のことを意味します。この石見銀山には500もの「間歩」があるといわれています。

バスを降りて大森地区の街並みを過ぎ、この石見銀山まで(約3キロほどの道程、上り下りあり)徒歩もしくは自転車で行かなくてはなりません。高齢者や足の悪い方は遠慮なされるか、世界センターに詳しい見学内容を問い合わせてください。
石見銀山世界遺産センター

今日は最後までお読みいただきありがとうございました。

追記この河合茂氏についてネットで調べてみましたが、まったくわからないのが現状です。温泉津に行って調べれば何か出てくるかもしれないのですが、現状行く機会がありません。この記事を見て心当たりのある方は是非ご一報願いたい。

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